教育費をどう見積もっているか

最終更新: 2026-07-26

子ども1人あたりの教育費は、進路の選び方で総額が数倍変わります。そこでマネシムは「その年に学校へ納めるお金」を進路別の年額として持ち、進学した年だけ入学金を上乗せしています。受け取れる児童手当は支出から相殺せず、その年の収入に加算。金額はすべて公的統計から採っています。この記事で開示するのは、採用値とその根拠、そして意図的に含めていないものです。

学費は「学校に納める費用」に統一している

幼稚園から高校までは、文部科学省「子供の学習費調査」の学校教育費と学校給食費を足した額です。つまり授業料や教材費など、学校に納めるお金。同じ調査には塾や習い事などの「学校外活動費」も載っていますが、これは採っていません。大学と基準を揃えたいからです。大学の統計に塾代に相当する費目は無いので、幼稚園から高校だけ学校外活動費を入れると、進学段階をまたいだときに費目の意味が変わってしまいます。

塾代・習い事・部活動費などは、養育費やライフイベントとして利用者が別に入力する設計です。かかる額が家庭ごとに大きく違い、平均値を初期値にすると実感から遠い金額になってしまうからです。

進路別の学費(万円/年)

段階公立私立
小学校11103
中学校19114
高校3583
大学(文系)65100
大学(理系)65135

大学だけ出典が分かれます。国公立は日本学生支援機構「学生生活調査」の国立大学の学費の実態値、私立は文部科学省の学生納付金等調査の授業料と施設設備費の合計です。国公立は文系・理系で同額としました。国立大学の授業料は省令で標準額が決まっており、学部による差が私立ほど大きくないためです。

入学金・入園料(万円・進学した年に1回)

段階公立私立
幼稚園10(私立園ベース)
小学校030
中学校026
高校017
大学(文系)2822
大学(理系)2825

公立小・公立中の入学金がゼロなのは制度上そもそも存在しないからで、公立高校には入学料があるものの、金額が小さいので計上していません。私立小学校だけは公的統計がありません。首都圏の相場から置いた想定値です。

保育料は世帯収入と兄弟姉妹の人数で変わる

3〜5歳は幼児教育・保育の無償化の対象です。認可保育園でかかるのは、原則として給食費だけ。年額の想定値は次のとおりです。

  • 3〜5歳(通常): 年6万円(給食費のみ)
  • 3〜5歳(住民税非課税世帯など): 0円

無償化の対象外である0〜2歳は応能負担です。世帯の収入に応じて決まります。実際の制度では保護者の市町村民税所得割額を自治体ごとの階層表に当てはめて決まりますが、シミュレーターに市町村民税額を入力させるのは現実的ではありません。そこで市町村民税額ではなく、手取りの世帯年収から階層を判定する近似表を用意しました。

0〜2歳の認可保育料(第1子・万円/年)

手取り世帯年収年額
〜200万円(住民税非課税相当)0
〜400万円22
〜600万円42
〜1000万円58
1000万円超75

階層の金額は、北名古屋市が公表している令和8年度の保育料基準月額表(乳児・標準時間・第1子)を、流山市が公表している所得割額と推定年収の対応表で手取り年収帯に読み替えたものです。上位階層の上限額は、自治体差がとくに大きい部分です。政令市の中でも倍近い開きがあります。なお総務省の小売物価統計をもとにした主要都市の平均は無償化した都市を含むので、この表より低めに出る点に注意してください。

0〜2歳の保育料を独自に無償化している自治体もあります。東京都は2025年9月から第1子まで無償化していますし、大阪市も2026年9月から第1子に広げる予定です。こうした自治体に住んでいるなら、教育費の入力欄にある「0〜2歳の保育料が無償の自治体」をオンにしてください。以後は所得階層によらず無償として計算します。

兄弟姉妹が同時に通っている場合は、国基準の多子軽減を適用します。小学校就学前の子を年長順に数えて、次のように割り引きます。

  • 第2子: 50%(半額)
  • 第3子以降: 無償

児童手当はその年の収入に加えている

子どもにかかるお金は、出ていく分だけを見ると実態より重く見えます。マネシムは収入タブの「児童手当を収入に含める」がオンのとき、2024年10月の改正後の制度に合わせて児童手当を受け取る前提で計算します。所得制限はありません。

反映のしかたは、収入への加算です。教育費から差し引く形にはしていません。つまりこのページの学費の表は、児童手当を引く前の金額。手当は学費だけでなく家計全体を支えるお金です。だから支出から相殺せず、収入の側に置いています。

児童手当(万円/月)

区分月額
3歳未満1.5
3歳〜高校生年代1
第3子以降3

本来の支給期間は「18歳到達後最初の3月31日まで」ですが、マネシムは1年刻みで計算するので17歳までで近似し、第3子以降を数えるときの「22歳年度末まで」も同様に21歳までとしています。

この計算の限界

次の点は計算に反映していません。結果を読むときはこの前提を踏まえてください。

  • 学校教育費には入学金相当がわずかに含まれているため、進学初年度は入学金と薄く二重計上になります。金額が小さく、多めに見積もる方向の誤差なので許容しています。
  • 私立高校の学費は就学支援金の拡充前の統計です。2026年4月に所得制限が撤廃され、支給上限も年45.72万円へ引き上げられたため、実際の負担はここより下がります。とくに旧制度で対象外だった年収910万円以上の世帯では差が大きく出ます。公立高校の値は、調査が保護者の支出額を測るものなので当時の就学支援金が既に反映されています。
  • 0〜2歳の保育料は自治体差が非常に大きい部分です。東京都・大阪市のように独自に無償化している自治体は「0〜2歳の保育料が無償の自治体」をオンにして反映できますが、一部の階層だけを独自に軽減している自治体には対応していません。
  • 保育料の多子軽減は国基準のみを適用しています。一定の所得未満の世帯について多子カウントの年齢制限を撤廃する取り扱いや、大阪市・札幌市などの「年齢を問わず第2子以降無償」といった自治体独自の上乗せは反映していません。
  • 私立小学校の入学金だけは公的統計が存在せず、首都圏相場からの推定値です。
  • 塾・習い事・受験費用・仕送り・下宿費は学費に含めていません。必要な場合は養育費やライフイベントとして別途入力してください。

出典

関連する考え方


本記事および本サービスの計算結果は、公的統計と一般的な制度に基づく概算であり、特定の金融商品の購入や投資判断を勧めるものではありません。税制・社会保障制度は改正されます。実際の手続きや判断にあたっては、一次情報および専門家にご確認ください。