額面から手取りへの計算

最終更新: 2026-07-26

家計のシミュレーションで使うべき収入は、額面ではなく手取りです。マネシムは額面年収から社会保険料・所得税・住民税を順に引いて手取りを概算しており、この記事では使っている料率と控除、そして省いている要素を計算の順序どおりに開示します。実際の手取りは扶養や各種控除で変わるので、あくまで概算です。

計算の順序

順序が結果を左右します。社会保険料は税を計算する前の所得から差し引かれるので(社会保険料控除)、税より先に社会保険料を求めておく必要があります。

  • 1. 額面年収から社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険)を求める
  • 2. 額面年収から給与所得控除を引いて、給与所得を求める
  • 3. 給与所得から社会保険料と基礎控除を引いて、課税所得を求める
  • 4. 課税所得に税率を適用して所得税と住民税を求める
  • 5. 額面年収から社会保険料と税を引いたものが手取り

社会保険料の料率

いずれも本人の負担分です。健康保険・介護保険・厚生年金は労使折半なので、ここに載せているのは実際の料率の半分です。

社会保険料率(本人負担分)

保険料率(%)根拠
健康保険5.00協会けんぽ全国平均10.0%の労使折半
介護保険(40〜64歳)0.795協会けんぽ1.59%の労使折半
厚生年金9.1518.3%の労使折半(2017年9月以降固定)
雇用保険0.55一般の事業の本人負担分

健康保険料率は都道府県ごとに違いますが、全国平均を採用しました。介護保険料がかかるのは40歳から64歳の人だけです。その年齢帯かどうかで切り替えられるようにしています。

社会保険料には上限があります。年収が一定を超えれば、それ以上は保険料が増えません。標準報酬月額の上限は、次のように扱っています。

標準報酬月額の上限

保険上限(万円/月)
健康保険(第50級)139
厚生年金(第32級)65

厚生年金の上限が健康保険よりずっと低いため、高年収の人ほど額面に対する社会保険料の比率は下がっていきます。ただし雇用保険に上限はありません。額面全体にかかります。

税の控除と税率

給与所得控除は額面年収に応じた段階制で、令和7年度税制改正後の区分を使っています。最低保障額が引き上げられているぶん、年収が低い層の手取りは改正前より増える計算になります。

所得税の基礎控除も、合計所得金額に応じた段階制です。区分は、2025年分・2026年分に限った上乗せの特例を含むものを採用しました。所得税の税率は国税庁の速算表どおりの累進で、算出した税額に復興特別所得税を上乗せしています。

住民税

項目
所得割の税率10%(標準税率)
基礎控除43万円
均等割+森林環境税0.5万円/年

住民税の基礎控除は、所得税より小さい点に注意してください。均等割は所得割が発生する水準のときだけ課す、という簡易判定です。非課税限度額の正確な判定が自治体ごとに異なるため、ここは割り切りました。

手取りから額面を逆算する

逆方向の計算もできます。手取りから額面を逆算するときは、手取りが額面に対して単調に増える性質を使った二分探索で解いていて、年金の計算で「現役時代の平均額面年収」の初期値を作るときに使っています。

この計算の限界

次の点は計算に反映していません。結果を読むときはこの前提を踏まえてください。

  • 賞与を月割りにして計算しています。社会保険料は年収を12で割った額を標準報酬月額とみなすため、標準賞与額の上限が効きません。賞与の比率が高い高年収の人では、実際より社会保険料が多めに出ます。
  • 扶養控除・配偶者控除・生命保険料控除・医療費控除・住宅ローン控除・iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)などは、基礎控除以外いっさい考慮していません。該当する人の実際の手取りはここより多くなります。額面しか分からない人が手取りの目安を得るための概算と考えてください。
  • ふるさと納税による住民税の控除も反映していません。
  • 健康保険料率は全国平均です。都道府県によって実際の料率は異なります。
  • 自営業・フリーランス(国民健康保険・国民年金)の計算には対応していません。会社員を前提とした計算です。
  • 住民税は前年の所得に対して翌年課税されますが、同一年の所得に対する概算として計算しています。

出典

関連する考え方


本記事および本サービスの計算結果は、公的統計と一般的な制度に基づく概算であり、特定の金融商品の購入や投資判断を勧めるものではありません。税制・社会保障制度は改正されます。実際の手続きや判断にあたっては、一次情報および専門家にご確認ください。