NISA・iDeCo・企業型DCの扱い

最終更新: 2026-09-07

同じ額を積み立てても、どの口座に入れるかで生涯の手取りと資産は変わります。そこでマネシムは積立をNISA・iDeCo・課税口座に分けて持ち、運用益が非課税になる効果と掛金が所得控除になる効果を別々に扱っています。上限額は制度の公式値です。この記事で説明するのは、その上限と、いちばん間違えやすい「会社が出す掛金」の扱いです。

採用している代表値

NISA・iDeCo・企業型DCの上限額

制度区分上限
NISA年間投資枠360万円/年
NISA非課税保有限度額(生涯・簿価)1800万円
iDeCo自営業・フリーランス(第1号被保険者)6.8万円/月(年81.6万円)
iDeCo会社員(企業年金なし)2.3万円/月(年27.6万円)
iDeCo会社員(企業型DC・企業年金あり)2万円/月(年24万円)
iDeCo公務員2万円/月(年24万円)
iDeCo専業主婦・主夫(第3号被保険者)2.3万円/月(年27.6万円)
企業型DC掛金の枠(会社の分を含む)5.5万円/月(年66万円)

iDeCoの欄は自分で出す掛金の上限です。企業型DCがある人は、この上限と「会社の掛金を引いた残り」の低いほうまでです(本文で説明します)。

この記事の内容

NISAの枠は一本の上限で持っている

上の表のNISAの2行は、金融庁が公表している年間投資枠と非課税保有限度額です。年間投資枠はつみたて投資枠と成長投資枠を足した合計ですが、マネシムはこの2つを区別せず一本の上限として扱うので、どちらの枠で買うかまでは表現できません。枠は1人あたりの制度なので、「配偶者もNISA口座を使う」をオンにすると年間投資枠と生涯投資枠を2人分にします。残高と使った枠は世帯で1本のまま持ち、夫婦それぞれの残り枠は追いません。

差が出るのは運用益の税率です。課税口座ではこうなります。

課税口座の運用益への税率 = 20.315%

所得税・復興特別所得税・住民税の合計

口座の内訳を使わない状態では積立をすべて運用益が非課税のものとして計算し、内訳を初めて有効にしたときは、それまでの積立額と残高をそのままNISAに割り当てます。理由は単純です。設定を触っただけで結果が動くと、何が原因で変わったのか分からなくなるので、切り替えの前後で数字はほぼ変わらないようにしてあります。

iDeCoの上限は働き方と、企業型DCの残りで決まる

自分で出す掛金(iDeCoやマッチング拠出)の上限は働き方で決まり、上の表のiDeCoの5行がそれで、iDeCo公式サイトが載せている働き方別の限度額をそのまま使っています。企業型DCがある会社なら、もう1段あります。企業型DCの枠(月5.5万円)から会社の掛金を引いた残りと働き方別の上限を比べ、小さい方までしか出せない、という計算です。

確定給付企業年金を併用している会社では、この枠はもっと小さくなります。ただ、併用の有無をプランに持っていないので緩い方の枠を採用し、上限を超える入力は弾かずに警告を出すだけにしています。

iDeCoの年齢制限

項目年齢
拠出できる上限年齢65歳
受け取りを始められる最短年齢60歳

iDeCoの残高は60歳になるまで取り崩しの対象から外しています。早期リタイアを試算するとき、実際には引き出せないお金を生活費に充ててしまわないためです。

会社が出す掛金は手取りを減らさない

ここがいちばんの落とし穴です。マネシムは積立を「誰が出したお金か」で2つに分けています。

  • 自分で出す分(NISA・iDeCo・課税口座): 手取りから支払う。その月に使えるお金が減る
  • 会社が出す分(企業型DCの事業主掛金): 手取りは減らない。資産は増えるが、使えるお金は変わらない

この2つを一緒に扱うと、会社が出してくれている掛金のぶんまで生活費を切り詰めているような計算になり、毎月の収支が実態より苦しく見えます。だから分けています。資産に積み上がる総額と、手取りから支払う額です。

選択制DC(給与の一部を掛金に振り替える仕組み)では、振り替えた分が給与そのものの減額として扱われるため、所得税と住民税だけでなく社会保険料まで下がります。代わりに減るものもあります。社会保険料のもとになる標準報酬月額も下がるので、将来受け取る厚生年金が少しだけ減ります。マネシムはこの増減を計算しません。収入タブに入れる手取り年収は振り替えたあとの額なので、税と社会保険料の軽減はそこにもう含まれています。厚生年金の減少も計算には入れていません。

iDeCoの掛金が税を下げる仕組みは、手取りの記事で扱っています。掛金は全額が所得控除になりますが、社会保険料は標準報酬月額から計算されるので変わりません。選択制DCと違うのはここです。

掛金の節税効果は試算に入れていない

自分で出した掛金は、全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になります。下がるのは所得税と住民税です。いくら下がるかは「掛金 × その人の税率」で決まり、住民税は一律10%、所得税は課税所得に応じて5〜45%です。

掛金に対して戻ってくる割合の目安

課税所得(所得控除を引いたあと)所得税+住民税
195万円以下15%
195万円超〜330万円以下20%
330万円超〜695万円以下30%
695万円超〜900万円以下33%
900万円超〜1800万円以下43%
1800万円超〜4000万円以下50%
4000万円超55%

所得税と住民税を納めている人なら、掛金の15%以上は税が軽くなる計算です。会社員(企業年金なし)が上限いっぱいの月2.3万円(年27.6万円)を出しているなら年4.1万円以上になり、税率が高い人ほど戻りは大きくなります。税を納めていなければ、効果もありません。

この節税分は、試算に入れていません。収入タブに入れるのは「手取り年収」で、すでに拠出している人の手取りには節税の結果がもう含まれているからです。足せば二重になります。これから始める人は、実際の現金の減りがグラフより表の割合ぶん小さくなる、と読んでください。表の割合は概算で、復興特別所得税は含めていません。

この計算の限界

次の点は計算に反映していません。結果を読むときはこの前提を踏まえてください。

  • NISAを売却したとき、翌年に生涯投資枠が復活する制度は反映していません。簡易化のためです。
  • 内訳を初めて有効にしたときの生涯投資枠の消化は、残高を簿価とみなした概算です。実際の簿価は買った価格の累計なので、含み益がある場合は消化がここより少なくなります。金融機関の画面で分かる実際の額は、NISAの「使った枠」に入れて直せます。
  • つみたて投資枠と成長投資枠の区分を持っていないため、商品の制限は表現できません。
  • iDeCo掛金の所得控除(節税)は試算に反映していません。収入は手取り年収の入力から出発するため、すでに拠出している人の手取りには節税の結果が含まれています。効果の目安は「掛金の節税効果は試算に入れていない」の表を参照してください。
  • iDeCoの受け取り方(一時金・年金・併用)による税金の違いは計算していません。退職所得控除や公的年金等控除の使い方で手取りは変わります。
  • 確定給付企業年金(DB)を併用している場合の拠出限度額の引き下げは反映していません。
  • 2025年度の税制改正で成立した拠出限度額の引き上げ(施行は2027年1月予定)は、施行後に反映します。現在の値は施行前の限度額です。
  • iDeCoの口座管理手数料は計算に含めていません。

出典

関連する考え方


本記事および本サービスの計算結果は、公的統計と一般的な制度に基づく概算であり、特定の金融商品の購入や投資判断を勧めるものではありません。税制・社会保障制度は改正されます。実際の手続きや判断にあたっては、一次情報および専門家にご確認ください。