住宅費と住宅ローンの計算
最終更新: 2026-07-26住居費は多くの家計で最大の固定費で、生涯の資産推移を最も大きく左右します。そこでマネシムは家賃をそのまま支出として扱い、持ち家の場合は、住宅ローンの返済額を月次で追って求めています。この記事では初期値の根拠と、変動金利のときに効いてくる5年ルール・125%ルールをどう計算しているかを説明します。
住まいの初期値
住まいの希望を選ぶと、次の値が入ります。持ち家の月々の返済額は、フラット35の利用者調査による物件価格の水準をもとに、元利均等で35年返済した場合の概算です。地域差は織り込んでいません。
住まいの初期値
| 選択 | 種別 | 月額(万円) | 返済期間(年) |
|---|---|---|---|
| コンパクトな賃貸 | 賃貸 | 8 | — |
| ゆとりのある賃貸 | 賃貸 | 12 | — |
| 郊外の持ち家 | 持ち家 | 13 | 35 |
| 都心の持ち家 | 持ち家 | 21 | 35 |
住宅費が月25万円を超えると要約の表示上「高級」として扱いますが、これはプリセット名ではなく実際の金額で判定しているので、自分で入力した金額にも同じ基準が当たります。
「賃貸に住み、将来購入する」という選び方は、住宅の入力フォームで直接指定します。住まいの希望の側には入れていません。選択肢の側で「◯年後に購入する」といった前提を勝手に足すと、選んだ本人が知らない仮定がプランに混ざってしまうからです。
住宅ローンは月次で残債を追う
ローンの計算は独立しています。年単位のシミュレーション本体とは別に、月単位で残債を追う計算です。返済額を年で近似してしまうと、変動金利の見直しや未払利息といった月単位で起きる現象が表現できなくなるからです。
住宅ローン計算の初期値
| 項目 | 初期値 |
|---|---|
| 借入額 | 3000万円 |
| 初期金利 | 年0.7% |
| 返済期間 | 35年 |
| 金利上限 | 年5% |
初期金利は、変動金利の主要行の水準が目安です。返済期間は最長50年まで。
返済方式は2つ。元利均等は毎月の返済額が一定で返済が進むほど利息の割合が減っていき、元金均等は元金部分のほうが一定で、返済額は残債が減るにつれて下がっていきます。
金利が上がっていく前提を置ける
本当に知りたいのは「金利が上がったらどうなるか」でしょう。マネシムでは金利の上昇幅を年あたりの上げ幅として指定でき、上限に達するまで毎年上がっていく前提で計算できるようにしています。
y年目の年利 = min(初期金利 + y × 年あたりの上昇幅, 金利上限)
上昇幅をゼロにすれば、実質的に固定金利です。
5年ルールと125%ルール
変動金利の住宅ローンには、緩和措置が2つあります。どちらも多くの金融機関が採用しているもので、効くのは元利均等返済のときだけです。
- 5年ルール: 金利が上がっても、返済額の見直しは5年ごと。その間は返済額が据え置かれ、利息と元金の内訳だけが変わる
- 125%ルール: 見直しのときも、新しい返済額は直前の1.25倍までしか上がらない
この2つをオフにすると毎年その時点の残債・残期間・金利で返済額を計算し直し、オンにすれば返済額の急上昇は避けられます。ただし負担は消えません。
返済額が据え置かれた結果、その月に発生した利息にすら返済額が届かないことがあり、この差額は未払利息として積み上がって最後にまとめて清算する扱いです(未払利息そのものには利息を付けていません)。5年ルールと125%ルールは、返済額を抑える代わりに最後に残る負担を後ろへ送る仕組みです。計算結果からもそのまま見て取れます。
プランに反映するのは、期間中の平均です(総返済額 ÷ 返済回数)。金利が上がる前提では初回と最終期で返済額が違うため、生涯の家計に効く代表値として平均を採っています。
この計算の限界
次の点は計算に反映していません。結果を読むときはこの前提を踏まえてください。
- 団体信用生命保険料・保証料・事務手数料・登記費用などの諸費用は計算に含めていません。
- 繰上返済とボーナス返済は表現できません。
- 固定資産税・都市計画税・修繕積立金・管理費といった、持ち家を保有し続けるための費用は住宅ローンの計算に含まれていません。必要な場合は生活費やライフイベントとして別に入力してください。
- 賃貸の更新料・礼金・引越し費用は自動では計上されません。
- 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅セクションのトグルをONにしたときだけ反映します(OFFのプランでは減税ぶんだけ実際の負担がここより軽くなります)。反映は住居費の減額ではなく収入への加算として計上します。所得要件・床面積要件は満たす前提で、控除できる額は所得税と住民税(最大9.75万円)の範囲まで。ペアローン・連帯債務は、夫婦それぞれの残高・所得税・住民税で1人ずつ計算します(金利と返済期間は世帯で共通の値を使います)。
- 5年ルール・125%ルールの適用条件は金融機関ごとに異なります。ここでの計算は一般的な運用を単純化したものです。
- 物件価格や家賃には地域差が非常に大きく、初期値は全国調査の水準です。
出典
- 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」
建売住宅・マンションの物件価格水準
- 住宅金融支援機構「民間住宅ローン利用者の実態調査」
変動金利の利用状況と金利タイプ別の実態
- 国土交通省「住宅市場動向調査」
住宅の取得・賃貸に関する実態
関連する考え方
本記事および本サービスの計算結果は、公的統計と一般的な制度に基づく概算であり、特定の金融商品の購入や投資判断を勧めるものではありません。税制・社会保障制度は改正されます。実際の手続きや判断にあたっては、一次情報および専門家にご確認ください。